日本人の遺伝子は?

1.新奇探索傾向

 生まれつきの気質を決める遺伝子は現在、NoveltySeekingという学会へ発表された、論文に掲載されている、ドーパミン受容体とセロトニン受容体の働きによって決まるという説が確認されています。ドーパミン受容体にはDRD4(D4)とDRD2(D2)があり、D4はより新しいものを求め、刺激を好みやすい性格を形成する、働きを持っています。D2は単純な刺激に飽き足らず、過剰に際限なく刺激を求めてしまう働きを持ち、アルコールやニコチンに対する依存症などもこのD2の働きによるといわれております。セロトニン受容体D4が強い場合、日本語では新奇探索傾向が強いと言われます。新しく奇抜なことや危険を顧みず冒険を好みます。又D2が強い場合、報酬依存傾向が強いといわれます。人種的に見ると、白人と黒人は新奇探索傾向が強いといわれております。D4受容体の多型遺伝を見ると日本人をはじめとするアジア人には2〜4回のループの人が多く、白人や黒人には、5〜7回のループの人が多いとされています。このループ回数が多いほど、新奇探索傾向が強いとされています。東アジア人は9割が2〜4回であり、日本人は東アジア人の中では少しD4が強く現れております。yap+と相関性が強いといえます。

2.危険回避傾向

 新奇探索傾向のほかに、危険回避傾向と呼ばれる先天的気質もあります。セロトニンという脳内物質これは、ストレス物質であるコルチゾールを抑制する働きを持っています。セロトニンが増えると落ち着きを取り戻し、過剰であれば楽観的な気質になります。この楽観的な気質であるほど危険回避傾向が弱いことになります。この度合いはセロトニン・トランスポーター(セロトニン透過体または輸送体)遺伝子多型の5HTT因子を見ればわかります。S型遺伝を持つ人は、ストレスに弱くそして感じやすく、いわゆる神経質で臆病になりやすいといえます。L型遺伝を持つ人は、ストレスを感じにくく、回避しやすいといわれます。危険回避傾向とか損害回避傾向と呼ばれる気質遺伝の目安はこの先天的遺伝を調べることです日本人をはじめとするアジア人にはShort型(S型)が極端に多く、米国人をはじめとするユーロ系白人にはLong型(L型)が多いのです。欧米人のセロトニン輸送体は30%近くがLL型で、50%近くがLS型で、SS型は15%〜25%程度です。極東アジアや北アジア人種、東南アジア人種はLL型は1%〜5%の枠で、LS型は30%あまり、SS型は60%〜70%近くとなります。

3.弥生人は新モンゴロイドか古モンゴロイドか?

 弥生人は新モンゴロイドという説が一般的ではあるようですが、明らかな誤算だと言えます。現在の日本人を構成する弥生人ですが、gm頻度、ハプロタイプ、yap+、血液型、二重瞼の確率、毛深さなど客観的に観察しても、弥生人は古モンゴロイドであり、新モンゴロイドではありません。ハプロタイプは東南アジアに多いタイプで、韓国人、チベット人、日本人、中国人もこのタイプです。又、血液型gm頻度は北方のものと黄色人種特有のものが強く、どちらかといえば、北方型です。古モンゴロイドにしか存在しないといわれるyap+に関しては、チベット、イヌイット、ネイティブアメリカンと同様に強く現れております。血液型に関してはこれもyap+同様にチベット、イヌイット、ネイティブアメリカンに近いタイプの頻度でA型とO型が多いです。この時点でyap+と血液型頻度において、B型は負の相関つまりB型遺伝はyap-に多く見られ、O型A型はyap+に多く見られる傾向を確認することが出来ます。つまり、弥生人は縄文人と別種の古モンゴロイドであると予測されます。二重瞼の確率も面白いことに、チベットやイヌイットと同様の値です。二重瞼は縄文人の影響ではなく、弥生人がもともと大陸に住んでいたときから持っていた遺伝形質だと言う証拠の一つになります。縄文人との混血率が非常に低く、もし弥生人に一重とyap-ばかりだとしたら、現在のようなyap+と二重の多さにはなりません。又、縄文人は韓国南部でも同様の人骨が見つかり物議をかもしております。血液型に関しては、韓国南部と日本両方に多く、又、yap+の地域、二重率の高い地域に多いA型が主流です。又、大陸にいた頃の弥生人と深いかかわりを持つとされるチベット人の血液型頻度を見ると日本人より若干B型が多く約24%程度といわれております。日本人は縄文人と混血し約21%前後であり、縄文人にB型が少なかったのではないかという説が出てきています。又、古モンゴロイドと新モンゴロイドでは、新奇探索傾向は古モンゴロイドが強く、若干欧米人に近いといわれております。

4.B型とAB型の頻度はヨーロッパやアフリカより日本をはじめとするアジアが多い。

 B型とAB型の頻度は地球上でも特別アジア地域に多いです。アジア地域は氷河期にシベリアやウラル地方で極寒地域になり、現在でも冬季には年間最低気温−60度以下になるところも存在します。そのため、大昔の人は洞窟からでることも出来ず、体温を逃さずに生活していました。2万年前最終的な氷河期が終わった頃、黄色人種はさまざまな突然変異が起こっていました。顔は一重で童顔、髭は薄く、頭が大きく、体もずんぐりと丸くなっていました。血液型はB型の血液型を多く持つものが増えておりました。手足は短く、背は低く、声も高く、なりました。男性ホルモンの量も極端に少なく、DRD4やDRD2といったドーパミン受容体も小さく少なくなりました。変わりに、外界を恐れるあまりに5HTTのSS型遺伝が多くL型遺伝を持つ人の数が減りました。彼らがユーラシア大陸で広がっていくにつれ古モンゴロイドが当初持っていた、yap+遺伝はほぼ全くなくなり、yap-遺伝地域が広がっていきました。

5.B型とAB型は好き嫌いが激しいって本当ですか?

 好き嫌いという考え方やニュアンスにはさまざまなものがあると思いますが、おそらく、神経質さが鍵となっていると思われます。つまりセロトニントランスポーターSS型の影響でストレスを受けやすいのがアジアに多い血液型B群の人に多いという統計は現在の人間にとって当てはまるものと感じます。つまり、一般的に言われているA型は他の血液型より神経質だなどという、決め付けは、成り立たないものだということにもなります。心理テストによると、この気の弱いSS型の人は、恐ろしいものを見た際に、表情に恐怖を表しやすく、嫌だという感情が扁桃核を支配します。つまり、神経質なSS型の人ほど好き嫌いを明確に表しやすいのです。この部分がB型は好き嫌いが激しいなどという、ニュアンスにつながっていると思われます。しかし、B型だからといって、絶対に神経質だとか、好き嫌いが激しいだとか決め付けられないと思います。又、SS型の多い集団では、ダイエット時に丁寧に方法を教えるとより順調に効果を発揮するといわれており、さらにダイエット成功時のリバウンドも少ないという結果がでています。つまり、目標を掲げたときの着実な成功にこぎつけるのもこのSS型の人だといわれております。LL型の多い欧米の人達はダイエットでもリバウンドが多く、丁寧に教えていてもなかなか成果が出ないといわれます。しかしLL型の人は、非常に積極的な性格が多く、なんでも果敢に挑戦していく人が多いと言われます。

6.O型やA型の一般的に言われている性格って、実際はあってるんですか?

 日本人に多いA型が神経質だと思い込んでいる人がいますが、そんなことは無いと思います。日本は周辺アジア諸国よりL型を持つ人が多いといわれておりますし、欧米やポリネシアのように外向的で積極的なLL型遺伝を持つ地域も非常に多いです。つまり日本人や韓国人のA型の人が思っているよりずっとタフな性格の人も多いです。つまり、このことであまり心配する必要は無いということです。O型の人も同様です、南米では原住民の黄色人種であるS型遺伝を多く持つ人達にO型しかいなかったのであり、楽天的なラテン系欧米人が入植してから、楽天的な地域になったのです、つまり南米ではO型が多いからO型は楽天的だなどと決め付けられわけではないのです。又、シベリアや東南アジアなどの神経質傾向の強い地域にもO型の多い地域はありますので、一般的に言われている性格はかなり不正確だと考えてよいです。

 

 
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